2013年6月26日水曜日

斜め

被写体に熱中してしまうので、カメラが斜めになっていても気づかない、というのは初心者にありがちなことである。
現場で再生しても、編集室で確認しても、「斜め」なことに気づかない猛者もいる。
「斜め」であることを指摘しても、役者の彼女がかわいく撮れているからいいもんねー、という態度な学生も多い。こういう学生はきっと世界がどうなっても自分の見たいことしか見ていないに違いない。

さて、デッサンをしたり、風景を写生したりするときに、まず気をつけるのは画面に対して水平なものは水平に描く、ことだったりする。画面に対して机の天面が斜めなら、机は傾いているので、花瓶やリンゴは転げ落ちてしまうからである。画面に対して、水平垂直でないなら、画面内での水平垂直のルールが見えるようにしなくてはならない、というのがお約束である。
デッサンをしてきた学生であっても、そんなことは忘却の彼方である。

人間はかくも、自分の目的以外のことには注意を払わないものである。

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