2013年6月23日日曜日

合わせる

人間の目というのは賢いもので、基本的にはパンフォーカス、つまり全部にピントが合っている状態で網膜に倒立像を結ぶ。しかし、網膜上の「像」がそのまま脳みそに認識されるわけではない。倒立像を正立になおし、なおかつ自分の見たいものに「ピントが合う」状態で認識される。見たいものではないものは、脳みそが「ピンボケ」の状態として認識する。
だから、レンズでとらえた映像上でピントが合う、合わない、というのは、脳みそに認識させたい情報をあらかじめコントロールできる、ということでもある。
肉眼でピントが合わないのは、近視や遠視などの問題があるからで、だからピントを合わせるために眼鏡を使うのである。目玉でピントが合わないものは、脳みそでもピントを合わせることができない。最初にピントを合わせるという作業は大切なのである。

レンズでとらえたフレーミング内で、見せたい情報にピントを合わせる、というのが基本である。それをうまく利用したカメラワークに「ピン送り」というのがある。手前から奥、あるいはその逆にピントの合う範囲を変えていくことで、オーディエンスの認識をコントロールする、という方法である。
オーディエンスはフレーミング内で、ピントの合っている「もの」に意識を集中する。だから、オーディエンスの見たい「もの」にピントを合わせる、というのが基本的な作業である。

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