2013年6月4日火曜日

確認作業


ジャーナリズムの授業ではないので、取材方法などは学生さんが従前に見たことのある番組や作品がベースになる。そうやって授業を進めていると、かなりの学生が似たような作業をしてくることがある。

フィールドワークに出かけて「東京を見る」というテーマで作業を進めている。
いちばん多く出てくるのは、既存の「印象」の確認作業である。

「東京にはビルが多い」とか「人が多い」というのが、彼らにとっては「一般的な印象」のようである。そうすると見てくるのは「ビル」と「ラッシュアワーの駅」である。たいていは新宿駅か渋谷駅である。
「東京にはラーメン屋が多い」というのが、少し前の地方から出てきた学生の「一般的な印象」だったりする。こちらも新宿や渋谷にあるラーメン屋さんを見てくるのが多い。
それで、「東京は高層ビルの街である」「東京ラーメン巡り」、そんなことをテーマにしたりモチーフにしたりして、作業を進めようとする。

果たしてそうなのだろうか、というのが「見る」ことの基本である。
大学も東京都下なのだが、ここいらへんで一番高いビルは大学の校舎で8階建て、一番近所のラーメン屋は通学路にある中華屋である。
そんな時に、しぶしぶ答えたりするのは、大学の近くの「田舎具合」である。
地方の自宅の方が街中にあったりする彼らにとって、大学の隣がキャベツ畑だったりするのは、「東京」ではない。だから、メディアで刷り込まれた既存の印象を確認したがるのかもしれない。

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