2013年6月19日水曜日

ピント

カメラを使った作業では、何はなくともピントを合わせることが、前提である。ピンボケ、手ぶれ、というのはケアレスミスなのである。

「ちょっとピンボケ」というロバート・キャパの本があるが、キャパはピンボケの写真しか撮影できないわけではない。ブレボケアレ、という写真のスタイルがあったりするが、それとてブレボケアレだけしか撮影できないわけではない。たいていは、きっちり写真ができる人が、自分のメッセージを伝えるために、そういった手段に出るのである。ブレもボケもアレも、コントロールできてなんぼ、なのである。

ここ数年だが、学生さんにビデオを撮らせていても、ピントをがっちり合わせてこないケースが増えた。なんでピントが合っていないのかと問うと、「こんなもんじゃないですかねえ」。よくよく話をしてみると、ピントというのはカメラが合わせるものだと思っているフシがある。
試しに、使っているカメラでピントを合わせてやったり、隣近所の学生のピントの合っている学生のファインダーをのぞかせたりすると、「ほほー」、である。

彼らの周りにあるカメラという名前のついているものは、基本的にオートフォーカスに自動露出である。スマホや携帯電話のカメラ機能に、マニュアル操作など装備されていはいない。だからピントが合うか合わないか、といのは彼らにとっては「運」でしかないのである。

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