2012年9月18日火曜日

アンケート


同居人の大学の方は、前期の授業が終わってしばらくすると「アンケートの結果」が送られてくる。
授業の最終日に大学は受講生に授業感想などアンケートをとって、その集計結果を知らせてくれるのである。当方の勤務校も似たようなアンケートをとっているが、結果が配信されるのは授業が終わってしばらくたってからである。
同居人の方ですごいのは、自由記述になっている学生の感想やら意見やら要望に「お答えしてください」という文言付きで結果が配信されることである。

このテのアンケートは、大学が内部で作業しているのではなく、集計を外注している様子で、当方の勤務校はやたら分厚い前年度の「アンケート結果」のファイルとデータディスクが、新学期にどーんと講師室のテーブルの上にのっけられていたりする。
先生によってはアンケートの結果を眺めて一喜一憂していたりするようであるが、そもそも、一喜一憂のために予算はたいてアンケートをとっているわけではあるまい。アンケートの結果から何をしろ、という指針も支持もなく、ただ結果を送られてもなあ、という気がする。満足度90パーセント以下で講師料は5割引、と言われたらどうしようかと、一瞬考えたりはするのだが。

「授業は分かりやすく進められましたか」「課題について十分な説明がありましたか」「学習の指導は十分に行われましたか」などという質問項目は、大学生の授業で聞くことなんだろうか。そんなものは授業に出席している学生の顔を見れば分かりそうなものである。
むしろ「全日程遅刻せずに出席しましたか」「授業中に居眠りやおしゃべりをしませんでしたか」「授業の準備は自分で確実に行いましたか」「宿題は忘れずにきちんとやってきましたか」「授業中に携帯やスマホで遊んでいたり、内職など授業科目以外のことをやっていませんでしたか」などという項目をクリアしてから、教員や授業を評価して欲しいものである。そういった学生に「授業はわかりにくかった」などと言われたくはなない。こっちは学生以上に欠席遅刻には気をつけ、しゃべりっぱなしで居眠りや内職などできないのである。それ以上に授業の準備は大変である。授業時間の2倍3倍はあたりまえ、数ヶ月かけて資料をぼちぼち揃えていたりするのである。片手間に教えているわけではない。

しかし、「お答えしてください」というチェックのついた「不満足でした」そうな意見には、小心者だけについ「ごめんなさい」と言ってしまいそうである。

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