2015年12月21日月曜日

師走

先生が走る、という年末である。
私の場合は、実家の父が銀行勤めで貸付担当が長く、家訓は「お年玉は即貯金、常日頃から借金なし」である。「いつもにこにこ現金払い」な習性に育てられたので、いわゆる「師走」の語源とは縁がない。

さて、12月になって年度内の残務整理、総勢150名ほどの採点もほぼ終了である。ほぼ、というのは、採点保留にしている学生が毎年数名出現するからである。今年度は1名が「保留中」である。
シラバスと授業開始時のプリントには、必ず採点や評価の基準を明文化することになっている。私の授業の場合は、授業の成果物としての作品、制作経過プロセスを記述したノート、プロジェクトを終了した後の反省を踏まえて今後同様の作業をする場合の改善案の提示、それに出席と授業時の態度くらいがワンセットである。実技授業なので、ペーパーテストはない。だから、授業を進めながら、各自の目標をそれとなく探って、それに対する到達度を考えながら、「総合評価」することになる。やればできるはずなのに、自分に対して甘すぎ、妥協点が低すぎる、などというケースはよろしくないので、辛い点数になる。一方で、スキルはないが努力型、あるいは最初に設定したゴールが身の程知らずの高いもので当たって見事に砕け散るようなケースは、私的には評価を高くしている。見栄がよかったり、かっこのよかったりする成果物としての作品であっても、それだけを評価しているのが授業ではない、ということにしている。

出席不足で授業態度はよろしくないし、他人とも協調性はないが、作品だけはオッケーなケースも、時々ある。ほかの授業では、結果オーライ、ということもあるが、私の授業ではNGである。だからけっこうそれなりに、採点はいろいろと考察する点が多く大変なのである。 

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