2013年5月28日火曜日

ウケ


学校で担当している授業の一つは、映像制作基礎、といったものである。
映像という表現の特徴、メリット、デメリットを認識した上で、「伝える」ことを目標にするものだ。
数週間の授業内で、課題の一つに自由制作みたいなことをやらせている。
毎年いくつかのプロジェクトに「ウケ」を狙ったものがある。早い話、「笑いを取る」ことを目的にするものだ。

実は純粋に映像として笑いを取るのは異常に難しいものがある。
ここ数年多いのは、コスチュームプレイであったり、タレントの物まねであったり、クラス内でしか通じないナンセンスなギャグであったりする。
彼らの人生で「ウケる」とは、テレビのバラエティーのコントのようなものが多く、一緒に講評をやっている教授(たぶん私より一世代ほど上くらい)には、やはり「???」というものがある。
「ゲバゲバ90分」とか「モンティ・パイソン」とか見たことあるかなあ、というのが教授との話題だったりする。

見返してみると、80年代までのいわゆるスラップスティックな民放の「お笑い」番組は、モンティ・パイソンをベースにしている部分がよくある。しゃべくりだけではなく、アクションや映像の言語的な部分をよく利用している。
現在学生が持ち込むプランは、「スタンダップコメディ」や、テレビで見る漫才やコントに近いものがある。映像としてではなく、結局「しゃべり」や「インパクト」で持っていこう、という作戦である。
「しゃべり」で笑いを取る場合に難しいのは、世代間や民族、文化の間の溝を埋めることだ。学生は大笑いしているが、教授と私、留学生には笑っている理由が分からない。解説してもらうと、インターネットで話題の「ネタ」だったり、テレビ番組の茶かしだったり、流行のゲームやアニメのパクリだったりする、大笑いをとった学生は自信満々である。

まあ、コアなターゲットにでも「ウケる」ことはいいことである。ただ、誰にでも理解できる、言語が通じなくても笑える、ということが、映像による表現の特質だったりする。次のステップは、コアではなく、満遍なく誰にでも「ウケる」ことにしていただきたい。

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