ちょいとしたきっかけで学校に来なくなり、そのままずるずると来なくなってしまう学生が、ちらほら、いる。
小学校ではないので、大学では、欠席理由を届けることはない。担任の先生もいるわけではないから、欠席理由を調べたり、家庭訪問で様子を見に行ったりすることもない。
勤務校は比較的少人数の学生で、実技系なので管理が厳しいこともあって、長期欠席になると所属している研究室のスタッフがフォローを始める。
私が学生の頃だと、いつの間にか来なくなっていた学生は「宗教関係」にはまるケースがいくつかあった。サークル勧誘の季節に、ビデオ上映会に来ないかと誘われたら宗教勧誘で、そのまま入信。宗教上のルールで共同生活、私有財産はすべて共有財産となり、人生のすべてを宗教に費やす、ように洗脳されてしまう。実家の両親に「信心のため」と100万円の「花瓶」を買わせたので、実家から研究室に連絡があり、発覚したことがあった。研究室では事情を調べて、すわたいへんと対策を練ろうとした。
そんな時に、では連れ戻してきます、と火中の栗、ではなく、宗教施設に乗り込んだ学生がいた。ハマった学生に片思いをしていた男子だった。しばらくすると、女子学生は登校し始めた。宗教施設から出て、社会復帰である。しかし、連れ帰ろうとした男子はまだ帰ってこない。女子学生に聞くと、彼は入信してしまったらしい。彼女が宗教施設を出たのは、お母さんが病気だと人づてに聞いたからだという。男子の影響は皆無だった。
そんなことがあった数年間は、校内のあちこちに「無料ビデオ上映会に誘われても、行かないように」という学生生活課のビラが貼ってあった。今やインターネットで「無料動画」は見放題。今は、どうやって勧誘しているのだろうか。
0 件のコメント:
コメントを投稿