2015年5月13日水曜日

積もるもの

担当している授業は朝の9時から始まる。前に何度も書いているのだが、授業は時間厳守で開始する。
9時、などという時間は、小学校の始業時間よりも随分と遅いので、来るのはたやすいはずだ。しかし5月を過ぎて、緊張感がなくなってきた学生は遅刻が多くなる。寝坊しちゃいました、で大目にに見るのは楽である。しかし、これが「たが」であり、積み重なってしまうことがある。

2年生の実技授業担当の先生と話をすると、ときどき出てくるのが、「クラスの雰囲気が険悪」。その授業もチームを組んで制作をする。最初のうちは良かったのだが、次第にチームの雰囲気がとげとげしくなってきたらしい。これがもっと悪化すると「荒れる」ようになる。

グループ制作の雰囲気悪化のきっかけは、たいていが些細なことだ。
誰かが遅刻をする。あーごめんごめん、で済ませていると、その学生は遅刻が常習化する。
誰かが、撮影用の準備を怠る、あーごめんごめん、後回しにして、で済ませていると、その学生はどんどん撮影の準備がルーズになってくる。
小さな「あーごめん」が積み重なると、正直に時刻通りに来ているのが馬鹿らしく思えてくる学生が出てくる。遅刻常習2人目である。
ここいらへんで誰かが「カツ」を入れてくれればいいのだが、最近の学生さんは「憎まれっ子」になるのが嫌いなので、黙ったままである。そうすると、準備ルーズくんが準備をすっぽかしたり、ルーズくんが2人になったりする。スケジュールがどんどん後ろに押してくる。締め切りは迫る。正直学生の目がつり上がる。もうチームワークどころではない。すでに雰囲気が険悪である。

最終提出に泣きながら間に合い、講評日である。チームが作品をプレゼンテーションする。遅刻1号もルーズ1号も堂々と「一生懸命頑張りました。作品が間に合って良かったです。良い作品になったと思います」などとコメントしてしまう。正直学生がそこでブチ切れたことがあった。
「あんたほとんど何もやってないじゃないのっっっ。誰のおかげでここに居られると思ってるのよっっっっっっ」
その場で遅刻くんとルーズくんを泣きながら糾弾した。

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