2018年1月17日水曜日

制度

しばらく前のニュースで、夫婦別姓についての訴訟を取り上げていた。
数年前にも、「別姓」問題で訴訟があり、なかなか懲りない国だなあと思ってしまった。
男性側が不利益を被ることがあまりないし、私の母親のように家事手伝いからサラリーマン家庭の専業主婦になったような人は「不都合」を感じることも少なかっただろう。母親が結婚してから既に半世紀以上、世間様は動いているのに、制度は動かないものである。
私も旧姓で仕事をしているクチなので、姓を変えるというのはいろいろと面倒だった。公的な書類はすべて変更しなくてはならない。役所や銀行というのは日曜日は営業していないので、平日何回か休みを取って役所の窓口で書類を書いたり申請したりする。名前変えました、という書類を一式揃えて、勤務先にも申請しなくてはならない。今と違って、アナログな時代である。インターネットで一発、では済まない。書式通りに書類をつくって、窓口に申請し、別の日に受け取りに行く。あれやこれやで、時間的なロスも多い。若かったので財産もなく、それくらいで済んでいたのだろうが、登記を変えなくてはならなければ、書類ごとに「変更」のための費用がかかったはずだ。
けっこう面倒だったので、これが結婚の「代償」かと思った。相手の方は、何も変更するものはない。勤務先に口頭で届けて、健康保険証を書き換えてもらうくらいだ。不公平である。全然、「平等」ではない。
同居人と一緒になるとき、あちらはバツイチコブつき。同居人は三人兄弟、お母さんが「跡取り娘」だったし、同居人はフルタイムの教員だったので、男性が名字を変えるなど全く発想がなく、まあしょうがないかなあと私が変えることになった。役所に行くために休みをとるたびに後悔した。
仕事の方は、旧姓で引き続き作業させてもらっている。フリーで仕事もしていたし、名字としてカブる人があまりいなかったし、名字を変えたから仕事を変えるわけではないからだ。その前に、銀行口座は本人の戸籍名でしか登録できなくなったので、仕事をしている名簿上のお名前と、経理課で使ってもらうお名前と、今も2本立てでやってもらっている。めんどくさくて申し訳ない。
この期に及んで面倒なのは、ずーっと昔に使っていた銀行口座の解約に手間取ったことだ。3−40年ほど前につくった口座なのだが、ほぼ動かしていないので、解約しようとしたら、本人確認が出来ない、と言われた。旧姓で確認できるモノはと言えば、昔のパスポートくらいしかない。
現在動かしている口座に、お仕事で報酬を振り込んでもらうとき、名義が「お仕事用」の名前ではないので、問い合わせが来たり、振込ミスがあったりする。これも面倒である。全然、「平等」ではない、けどなあ。

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