2017年10月9日月曜日

ブーム

実習授業では簡単な映像を制作してもらっている。課題の内容や進行方法は以前にも書いたことがある。面白いのは、その時の1年生の指向が見えることだ。「マイブーム」、という言葉があった。1年生の「ブーム」は、ティーチングアシスタントをしてもらっている4年生にとっては、「ブーム」ではないことが多い。たかが2−3年くらいしか年が違わないのだが、「ブーム」は確実に違うらしい。
美術学校、映像系の実技専攻コースなので、必然的にアニメーション指向の学生が多い。ジブリ、ガンダム、ディズニー、というのが彼らの学習動機だったり、目標だったりする。数年前は、ヱヴァンゲリヲン命、というほどマニアックな学生さんが多かったが、最近はそれほどでもない。
実写ドラマ指向な学生さんだと、好みのドラマシリーズとか、映画などがある。担当している授業で、10年以上前に流行ったのは「世にも奇妙な物語」風なもの、である。課題として作ってもらう作品のうち、クラスに数本は、その手のものが出た。現実世界とちょっと違う設定の世界で起こる出来事、といったものだ。この頃はまだテレビドラマを子どもの頃によく見ていた、という世代である。見ているものはほぼ横並びで同じなので、当然のように、脳みその中のアイディアソースも同じになる。
最近は、ご家庭にテレビはあっても、子ども部屋のコンピュータをインターネットにつないで配信動画を見ている、という状況である。テレビ、という言葉でくくっても、あまり共有できる番組やドラマがない。だからなのか、隣の人を見ながら授業をしているような気がする。ブーム、というよりも、右へならえ、なのかもしれない。

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