2016年9月5日月曜日

無意識

夏は暑い。ニュースを見ていると「熱中症情報」というのが出てくる。予報士かアナウンサーが必ず「水分補給をお忘れなく」と一言添える。
こういった「健康情報」もブームがあったり、学術的研究の裏付けがあったりして、いろいろと変わってくる。子どもの頃は「運動中の水分補給はなるべくしない」のが原則だったので、今思えば熱中症でふらふらになったことが何度かあった。
最近の子どもが学校に行く持ち物は、教科書ノート水筒、である。学校の水道の生水は飲まないらしい。過保護なんだか、ご苦労なんだか。
「水分補給をお忘れなく」と言うのが浸透しているのか、駅だろうが電車だろうが信号待ちだろうが本屋の中だろうが、ペットボトルを鞄から取り出して蓋を開けてぐいーっと飲む様子をよく見かける。子どもの頃は「公共の場所では飲み食いしない」のが原則だったので、我慢しないのが今時、というものなのだろう。

様子を見ているとごくごく自然に鞄から別途ボトルを取り出してお飲みになっている。慣れ親しんでいるので、無意識にやっているのだろう。のどかわいたなー、ペットボトルぐびー、である。その間に、ここはどこか、飲んでも良いところか、という逡巡はない。だから、夏に美術館で作業をしていると、何気なしに作品の前で、ペットボトルぐびー、な人を見かけてしまう。慌てて監視員が注意はするのだが、「あっ」くらいで、あまり悪びれた様子もない。だから本当に「無意識」なんだなあと思う。 

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