2018年10月8日月曜日

ぼっち

数年前に「ぼっちメシ」という言葉が流行った。
大学の状況で言えば、学食へ行ってもひとりで黙々とご飯を食べる、といったことである。友だちがいないのが、その主たる理由である。なぜ友だちがいないかは、この際おいておく。
担当している授業では、最初の課題は「映像30秒で自己紹介」である。30秒、と言えば、テレビのスポットコマーシャルの長さだ。あまり「長い」とは言えない。10年ほど同じ課題をやっているが、その時の世相というか、学生さんの流行というか、そんなものが出てくる。「ぼっちメシ」が流行語だった数年は、「友だちがいない」といった自己紹介が何本かあった。自己紹介として「友だちがいない」というのはいかがなものか、ということは、この際おいておく。
映像の描き方としては、いくつかパターンがあり、どれが理解されやすいか、考えて制作することが「正解」である。その頃多かったのは、教室で一人ぽつねんとしていたり、友だちに無視されたり、校舎の片隅で本を読んでいたり、といったものだ。その中でも何本かは「ぼっちメシ」ネタがあった。教室の端っこでひとり弁当を広げていたり、こそこそと校舎の陰に入っておにぎりを食べたり、というシチュエーションの描写である。中でもトイレ内で弁当を使う、というのが数本出た。トイレの花子さん、ではなく、トイレでごちそうさん、である。
もっとも、ご時世とか、流行、ということもあって、誰もがみんな本質的に「ぼっち」であるとは言いがたい。たいがいが「ぼっち」気取り、自称「ぼっち」だったりする。これも時代、なので、数年で「ぼっち」ブームは去った。ここ数年は「ぼっち」ネタは少なくて、多いのは「スマホ好き」「スマホ命」「スマホ中毒」っぽいネタである。

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