2017年2月8日水曜日

ばっさり

別々なのが一番よく分かるのが時代劇である。のだが、最近の学生さんは時代劇をテレビでも見なくなったので、授業では伝えにくくなった。ちょいと前までは「水戸黄門」という誰もが知っている番組があったので、話はしやすかったのになあとよく思う。
いや、閑話休題。水戸黄門でもかならず後半にチャンバラの場面が入る。お約束である。ところが芝居で使っているのはもちろん本物の刃物ではない。刀と刀を合わせても「チャリーン」などという音は、実際にはしない。逃げる悪者を刀で斬りつけても「ばっさり」という音は、実際にはしない。後ではめこむのである。
人を斬ったときに血しぶきが上がったのは黒澤明の映画が最初だと言われているが、人を斬ったときの音も黒澤映画が最初だと言われている。何でも最初が好きな組なのかもしれない。
人を斬った音、というのはさすがに衝撃的だったらしい。だれも聞いたことのない音だからだ。

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