2017年2月7日火曜日

ベツモノ

さて、大学に行って映像を勉強していた頃のメディアはフィルムである。8ミリ、あるいは16ミリのフィルムを回して作業をした。現在のビデオというメディアと異なって、フィルムは同時録音をしない。映像と音声はまったく別のチャンネルで作業して、最後にひとつにしていく。
フィクションであれば、画像に合わせて役者が台詞を「あてる」、効果音を「はめる」、BGMを「つける」という作業が必要である。役者は、撮影と、アテレコと、2回同じ台詞をしゃべる、というわけだ。足音も、ドアの開閉音も、ちゃぶ台を叩く音も、ぜんぶスタジオで音をつくる。画像のタイミングに合わせて、オープンリールのテープを切り貼りしてつなげていく、という作業をした。
絵と音のタイミングを合わせるので、それが全く別のタイミングで制作されているとは、オーディエンスは思いもしない。特に現在のテレビ、ビデオに慣れていると、絵に音がついているのは「当然」だと思っている。ところがフィルムで作業したことのある経験があると、絵と音が「別」だと無意識に思っている。

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