美術館では、ワークショップという教育普及活動の写真記録を手伝っている。広報として使うこともあり、講座の工程を踏まえながら活動の様子をドキュメントとしてまとめている。ある講師は、工程を見せないで欲しい、と通達があった。作業工程はオリジナルであり、公開することによって同様の工程で制作される恐れがある、ということだった。まあそれも、わからなくはないが、同じ課題、同じ工程でも、指導教員によって、最終的なアウトプットはかなり違ってくるものである。
R.マリー・シェーファーという人の本に「サウンド・エデュケーション」というのがあり、いわゆる「音系」のワークショップネタが並んでいる。出版された後の数年は、あちこちでこのネタやプロセスを使った講座やワークショップが行われていた。今もその手の活動で、マリー・シェーファーという名前が表には出ないにせよ、ネタを使っていることがある。温故知新、ぐるっとまわって、若い人には新鮮なのかもしれない。