学生さんの方は、3週間ワンクールの授業を4科目受講して単位取得する、という方式である。1クラスは25人ほどなので、18日の授業でまんべんなく個人的におしゃべりする、という感じには、なかなかならない。今の学生さんは、先輩にかじりつく、という方法を知らないので、黙って座っていて受講して、最終的に授業アンケートに「講師の指導が不足」などと記入する。大学側がこの記述で、クラスの人数を減らすとか、カリキュラムのスケジュール編成を変えるとか、指導講師の数を増やす、といった具体的な対策を講じてくれることはないので、学生にフラストレーションが溜まっていないかも、心配しなくてはならない。二昔前に比べると、大学の授業は様変わりしたものだと思う。
ことに最近の学生さんは「近道」を模索するようなところがある。何をするにしても、作業する前に「どうやったらいいか」を聞きたがる。その後、逐一、作業する前に、「これでいいか」と聞きに来る。この手の学生さんは得てして優等生で、失敗から学ぶ、という経験がない。「やってみてから、考えてみる」というのが、その問いに対する答えなのだが、そうするとむくれてしまうことがある。「指導不足」と、こちらがジャッジされた瞬間である。
受験勉強と違って、こと大学における授業では、「正解」を考えることが「勉強」ではないことが多い。むしろ、自分なりの正解を導くためのプロセスを模索することが、授業の目標だったりするものだ。
彼らが欲している正解への「近道」は、実は遠回りだったりするのかもしれない。
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