2018年4月3日火曜日

今年のサクラは、咲くのも満開になるのも散るのも、早かった。
日本的、と言われて久しい風景だし、それを見に来る外国人の観光客も多くなった。
たいがいの木はソメイヨシノという種類である。実生ではなく接ぎ木で育て、同じ遺伝子を持つ「クローン」だと言われている。さもありなん、だからこそ一斉に花が咲くわけだ。
母の実家の墓には、ソメイヨシノの大きな木があった。墓地は染井なので、それこそ染井のサクラである。墓を建てたのは明治の半ば頃、大正末期に建てた墓の横に植えたようだ。というのは、私が行くようになった1980年頃には、墓の下に根が入り込み、墓石の下の石がかなり傾いていたからだ。その10年頃後には、大きく張った枝の半分ほどが立ち枯れてきた。嵐で折れて落ちては大変、と植木屋にかなり枝を下ろしてもらった。かなりしょぼい姿になってしまい、木のイメージがかなり変わってしまった。その10年後には、ほぼ枯れてしまったのを機会に、傾いた墓石も整理した。長生きしない木だと、残念に思ったが、それをきっかけに身辺整理にはなったかもしれない。
現在住んでいるところの近所に、大きな寺がある。バス通りに面して大きなサクラとカエデが植えられていて、春はサクラ、秋は紅葉のトンネルのような景観だった。久し振りに通ったら、どちらもごっそりと切り倒されていた。倒木の恐れがあり、と看板にあった。今年はぽっかりと空が大きく見える通りになった。

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