2017年8月23日水曜日

減少

普段はいわゆる「通学課程」というところで授業をやっている。面と向かって授業をやって、実習やって、というものだ。一方、勤務校には「通信教育課程」というのがある。以前は、短期大学という位置づけだったが、2002年に4年制、学士の資格が取れるようになった。
学校の組織としては、「通学」と「通信」が微妙に分かれていて、それぞれに専任教員、非常勤講師、専任と非常勤のスタッフと配置されている。
通信教育課程で、ここ数年顕著なのは、最初の頃ほど学生数が増えない、ということらしい。通信課程なので、社会人も多く、4年で卒業するのではなく、もう少し長く学生として在籍する学生が多い。そうは言っても、「新入学」な学生は、一時期ほどの増加がないらしい。ひところは、スクーリング(面接授業)の学生数が多すぎで実習授業が出来ないから急遽クラスを増やす、ということもあったようだ。最近は、生徒の数より教員の数の方が多いクラスもあったりするらしい。
私学なのだから、経営が成立しなければならない、というのは仕方がない。2年ほど前は添削非常勤講師のペイが時給ではなく、「半分時給半分出来高」制になった。時間をかけてとことんじっくり指導、ではなく、それなりにスピード出してこなしてね、ということらしい。今年は、専任教員の空きを埋めない、という作戦に出たらしい。仕方がないが、教える側としてはモチベーションが下がる。
先日は、通信の専任教員が「縮小されたら困る」などと言っていた。困るのは、学生なのか、雇用されている本人なのかわからないが。
学生としては、先細りする学校で教わるのは、心細い。入手していた情報で選択する授業を想定していても、進級時にそれが存続しているかどうか分からない。先細りするから隣の学校と併合するからねー、などという、「分校の生徒が少なくなるから分校廃止」という小中学校のような作戦はとりようがない。先細りが見えた時点で、先がある学校に移りたくなるのが普通だろう。こうやって、先細りが見えてくると、沈む船からネズミが逃げ出す、という状況になり、あっという間に学生数が減るのである。
別の学校のケースだが、学校の閉鎖が決まっても、先生の数はむやみに減らせない。その学生は、転出する学生を横目に、むしろぎりぎりまで在籍することで、潤沢な教員数で授業をする、という作戦を採った学生がいた。強者である。

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