2021年7月13日火曜日

教材

 映像を始め、クリエイティブな作業にコンピュータが入り込んできて久しい。ここ数年で授業内のコンピュータの運用方法が変わってきた。

10年以上前は、学生にとってはかなり高額な機材だった。大学であっても、高額だったので数を潤沢に用意できるわけではなかった。その頃の研究室の機材の予算は年間数百万、指が片手で済む程度だった。グラフィック用のワークステーション、なんぞは年間予算をはるかにオーバーする額だった。だから、機材として導入されても、学生一人が占有するわけにはいかない。順番待ちも多く、従って、夜間にレンダリング、などという状況になった。機械は24時間働きっぱなし、である。ご苦労様であった。

必要な機材、にコンピュータがリストアップされて、研究室の機材として用意されるようになり、次第に数も増えた。こういった機材は、専用の「場所」が必要になる。ラップトップではなく、デスクトップ、いくつかの機械がつながっており、授業が終わったら片付けよう、といったものではなかったからだ。

ドミノ倒しのように、コンピュータ増える、教室増える、コンピュータのためにエアコンが必要、全校舎エアコン完備、コンピュータは永久に使えるものではないので、4-5年を目処に入れ替え、システムやソフトウェアの管理維持、全学的にコンピュータのネットワークシステム導入 などなど、あれよあれよという間だった。もちろん、ロハで導入されているわけではないので、それは学費や設備費として反映される。美術大学はアトリエという場所さえあれば良い、という状況から一転、最も性能の高いコンピュータが必要なので、学費はどんどん上昇した。

コンピュータがなかったころ、最もお金のかかる「教材」は、ヌードモデルだったりしたのだが。

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