新聞など読んでいると、年間通してリモート授業、などという、放送大学もかくやと思われる授業形態を継続している大学もある。多くの大学は対面授業を再開しており、リモート授業と併用、という作戦が多いようだ。旅行は良くて、学校はダメ、というのは、そりゃ学生さんは納得できないだろうと思われる。
ただし、未入国、登校自粛、体調不良で欠席、あるいは10日ほど自宅で経過観察、など、学生の方も「一斉登校」状況にはならない。学校も手探り状態で、三密状態の解除、「すっかり元通り」になるには、感染症終息後、かなり時間がかかりそうな気がする。
学生によって「大学」をどのように考えているか、それは個人差がかなり大きい。勉強をするだけ、ではなく、場所であったり施設であったり友だち作りの場であったり、である。担当している学生の中には、そもそも「コミュニケーションが苦手」というタイプがいる。コミュニケーションは何とかなるが、いつも一緒にいる友だち、というのは思い当たらない、というタイプもいる。今年度で言えば、リモート授業の方が参加しやすいというタイプもクラスに数名はいる。
一概に、大学とはこういうところだ、というのは、ない。かなり枠としては「ゆるい」ものなので、どちらかと言えば「自分」をしっかり考えておかないと流される恐れの方が、以前も今も大きいだろう。上を向いているだけでは、何も降っては来ない。自分でもぎ取りに行くものだ、と我々の世代では教わった。ただ、今はむしろ、「黙って座っているだけ」なタイプが増えつつあるのは気になる。いずれにせよ、前代未聞の状況ではある。以前と同じことを期待するのは難しい。むしろプラスの方向に考えたい。