2019年5月26日日曜日

理由

機械を扱っていて、誤動作が起きると、最初に疑うのは人間である。機械にとって、誤動作が起きる確率は、人間が誤動作するよりも低い(と思っている)。でなければ、機械が仕事をする意味がない。
担当している授業では、機械を使った表現をしている。機械抜きの作業は考えられない。そもそもアナログの時代から、機械を信用すべきかどうか、ということは、大きな「問題」ではあった。機械が間違っているか、人間が間違っているか、その「モト」によって、対処が変わるからだ。
冷静に考えると、多くの場合は人的なミスである。私の授業の現場で言えば、こんなケースだ。
カメラの場合。
「機械が壊れています!」「どうしましたか」「電源スイッチを押しても、電源が入りません!」……「バッテリーを装着してから、スイッチを押しなさい」
「機械が壊れています!」「どうしましたか」「ピントが合いません!」……「カメラの操作をマニュアルモードにしなさい」
「機械が壊れています!」「どうしましたか」「縦位置では撮影できません!」……「ビデオカメラは基本的に横構図です」
「機械が壊れています!」「どうしましたか」「撮影したデータの日付が4年前の元日です!」……「カメラのメニューで日付設定を確認しなさい」
「機械が壊れています!」「どうしましたか」「撮影した画像が斜めで水平垂直がとれない画像しか撮影できません!」……「撮影時に三脚をきちんと設置し、カメラのモニターで水平垂直を確認してから撮影しなさい。てきとーに三脚を立てて、カメラを乗っけたら、自動的に水平垂直になるわけではありません」
コンピュータの場合。
「機械が壊れています!」「どうしましたか」「電源スイッチを押しても、電源が入りません!」……「電源コードをコンセントに差し込んでから、スイッチを押しなさい」
「機械が壊れています!」「どうしましたか」「コンピュータのモニターにタッチしても反応しません!」……「タッチセンサー非搭載のモニターを使用しています。マウスを使いなさい」
「機械が壊れています!」「どうしましたか」「ポータブルハードディスクをつないでもマウントしません!」……「使用しているコンピュータはWIndowsなので、Mac専用にフォーマットされたデバイスは認識しません」
「機械が壊れています!」「どうしましたか」「SDカードを差し込んでもマウントしません!」……「カードの上下が逆さまです。よく突っ込めたな」←この学生は、無理矢理上下逆にカードを突っ込んだので、カードリーダーが破損した。どのくらい力を入れて突っ込んだのだろうか。
毎年トラブルの傾向と対策が違う。

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