2018年9月1日土曜日

ずる

官僚ご子息の裏口入学の余波か、しばらく前は入試で女子学生一律減点というニュースが駆け巡った。びっくり、と思う一方、私立学校だからなあ、という気もする。
私が大学の入試をしていた頃の話だ。入学試験が終わり、発表までに数週間がかかる。その間に大学から「お知らせ」という封書が来た。中身を見ると、要は「寄付金のお願い」である。合格したのかも落ちたのかも分からない、母親は「寄付したら合格させてくれるかも」などと言う。いやいや、そんなことで合格しても、学校に行ってから授業についていけなかったらどうするのか。結局そんなことを言いながら、寄付を払いそびれ、案の定不合格だった。行かない学校に寄付しないで良かった。
母親が育った家は、大学教員の家だった。明治終わりから昭和初期の頃である。家には書生さんが数人いて、学生さんも出入りしていた。宿題は書生さんにやってもらった、とのたまう。時代もあるのだろうが、嫌な勉強をいやいややっても身にはならない、という方針だったようだ。ところが好きな科目はと言えば「算数」だったそうで、それを勉強したかったのだが、「女の子だから」という理由で家庭的に却下、それが母親の勉強についてのトラウマだったようだ。
勉強することについて、いろいろな考え方もあるのだろう。ただ、「入学試験」と合格の条件を明示している以上、こそこそズルするのはヨクナイ、とは思う。

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