2017年11月22日水曜日

ココロ

勤務校での授業は、10月いっぱいで概ね一段落する。学生さんの方は、という意味である。
教える方は、といえば、提出物のチェック、授業成果の採点、という仕事が待っている。
「脱落者を出さない」というのが勤務校のモットー、教務課からお達しが来るので、おいそれと脱落者、つまり「不可」がつけられない今日この頃である。あの手この手で、単位取得に必要なものがそれなりに揃うようにしなくてはならない。出席日数、課題の出来、だけではなく、ノートやレポート、平常点、授業への参加や発言の程度、などなど、点数をつけれられそうなモノをあれこれと揃えたりする。
一番分かりやすいのは「出席日数」である。2/3以上の出席で課題提出、あるいは定期試験受験の資格がある、というシステムである。つまり1/3の欠席でアウト。だから、どの学生も、授業半分ほどで「出席日数が課題提出の条件である」とアナウンスすると、「自分の授業出席数は足りているのか」と質問に来る。いやいや、大人なんだから、自分がいつどこにいるのか、くらいは自己管理の範疇だろう、と思うのだが。
「出席日数が足りている」だけでは単位は出ない。単に、課題を提出できる権利が発生する、程度の話である。もっとも、単位を取得するための第一関門としては目に見えて明らかな条件である。授業に興味がない学生でも、単位取得には興味があるようなので、とりあえず授業に来る、というタイプの学生が出現する。出席を採ったらトンズラする、授業中は爆睡する、授業中にトイレに立つ、トイレに行ったらしばらく帰ってこない、もちろん授業中にスマホいじりなどする、という手合いである。「出席」していても、ココロここにあらず、なので「出席」している状況なのか、というのは大いに疑問である。
出席簿を見返しながら、この学生のココロの出席は授業ではなく、どこにあったのだろうかと、しばし考えたりする。

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