2023年3月17日金曜日

安心

プリンターのセッティングをしていた。まずはプリンター本体のシリアル番号をメーカーサイトでユーザー登録しておく。それから別のページからドライバをダウンロード。その際に、「ユーザー認証」という手続きがある。ユーザーIDとパスワードだけではなく、SMSへ送られてくるパスコードを打ち込み、やっと本人と思ってもらえるわけだ。

考えてみるとここ数年は、コンピュータやアプリケーションの起動、あるいはサイトのログインの時には片手にスマホ、という場面が増えた。ウェブサイトへのログイン、アプリケーションのライセンス確認など、ログインIDとキーワード、それにスマホにアクセスキーをSMSで発信し、それを打ち込む、という作戦である。これのおかげで、スマホを使わざるを得ない、のか、あるいはスマホ利用前提でシステムを組んでいるのか、そもそもスマホを使わない人はどうするんだろうと、老婆心ながら考えてしまう。

セキュリティ的には、このご時世、何をやっていても「安心」とは言えないので、手数が増えた分だけ安心感が増すか、とも考えにくい。まあ、儀式だよねえ、と思うことにする。

その昔は、ユーザーIDとパスワードでも面倒だなあ、などと考えていたものだ。高額なアプリケーションでは「ドングル」というのがパッケージに同梱されていた。インターネットバンキングの最初の頃は「暗証番号発生装置」のようなカードが郵送されてきた。いろいろとあの手この手を考え出すものだ、と感心する。

2023年3月11日土曜日

年度末その3

 通信教育課程の方は、通学課程と学事予定が違う。こちらは2月末日が課題やレポートの締め切り、3月いっぱいが採点、進級と卒業の判定、卒業制作展示、片付けたら卒業式である。通信教育課程は入学試験がないので、2月半ばから3月半ばくらいまでが年度末の多忙な時期である。

というわけで、このところ、通信教育課程の方の課題が山積しており、採点に精を出していた。

 課題提出の締め切りが2月末日。逆算して1月半ばくらいから提出が増え始める。通信教育課程なので、レポート作品の送付には郵便局の第四種というのが適応されている。まあ、いまどき郵便ではなく、オンラインで提出だろ、と思う向きもあるかもしれないが、実は密かな楽しみが切手拝見である。たかだか15円、なので、いつも使っている絵はがきやお手紙の定額切手だと額が大きい。みんな工夫しており、2円や1円がぞろぞろ並んでいたり、ちょっと昔に発行された懐かしい切手だったりする。

1月も半ばを過ぎると、少しずつ「速達便」が増える。260円加算である。うーん、レポートが17回も送れるぞ、などとケチなことを考える。2月に入ると、念のためか配達証明、レターパック、ゆうパック、宅急便などが増えてくる。速達料金に上乗せして、時間と提出した安心を買うわけだ。

送料をおごっても、課題違反だと、再提出になってしまう。課題文をもう少していねいに読むと、課題違反にはならなくなるだろうにと思うが、締め切りには間に合わない。当たって砕ける方が、潔いのかもしれない。

2023年3月10日金曜日

年度末その2

 日本の学校は4月始まり、だから前年度末は3月、が建前なのだが、大学では年度末は12月から1月初めである。現役の学生さんは、だから12月あたりでほぼ年度内の授業が終わる。授業の回数は前期後期とも13週が基準だから、計算すれば1年のうち、授業があるのはほぼ半分、あとは試験とか追試が2週ほど、数えてみれば、授業以外のいわゆる「お休み」期間も多い。

学生さんはお休みだが、学校サイドはお休みにはならない。1月に入ると卒業制作展、採点、集計、大学院入試、それから入試、入試が終わるとやっと卒業式、それが終わると新学年の準備、という段取りである。年が明けて1月から3月が、スタッフ側としては多忙な時期である。悲しいことに、花粉症のピークと重なって、とても辛い。

2023年1月18日水曜日

年度末

ここしばらく、と言っても、トシのせいか、数年が十数年というスパンに近くなるのだが。

大学の入学選考試験のバリエーションがやたら多くなった。入学試験の科目選択から始まって、センター入試利用、学校推薦、自主推薦、AO入試、適性資格推薦だのともろもろ。何が選考の基準になるのか、はたから見ると分かりにくい。しばらく前から、実技試験を経て入学に至らず、「絵を描くのは苦手ですう」「美術は不得意ですう」という学生が出現するようになった。「描くことは下手だが、美術好きなので、描くことはやぶさかではなく、上手くなるためにはがんばりたい」と言うのならまだしも、「苦手なので出来れば絵は描きたくない」のがなぜか多い。世間一般で言う、「美術学校」のスタンダードは、今や昔、である。美術学校の卒業生だからといって、絵が描けるとは言えない。さらにこれに留学生試験が加わるので、入学試験は5−6種類にもなる。選考側としては、共通の合格基準があり、よく言えば「多様性」があるわけだ。

おかげで、新入生の実技授業は、学科試験だけで合格した実技超初心者を相手に始めざるを得ない。もちろん、ある程度のスキルのある学生も入ってくるので、こちらにとっては超初心者向けの講座は、当然、面白くはない。今の学生にとっては「タイパ」は重要なので、「復習」とか、違う視点での学習の再構成、といったものは、「無駄」にしか見えない。

こういったことを考えながら、年度末の3月いっぱい、新年度の授業についてあれこれ悩むことになる。

2023年1月9日月曜日

お土産

 元日の朝は、例年やたら分厚い朝刊が届く。販売店から「いつもより厚いので、新聞受けには入らない場合、まわりをぐるっと見渡すように」という、ご注意のチラシも年末に入る。

ところが今年は、あれ?というくらい、分厚くはなかったので、ちょっと印象が違った。初売りセールのチラシも少ない。なんだか景気が悪いのかしら、という気分がする。

私は習い性で、朝は新聞を広げないと気が済まない。だからと言って、隅から隅まで熟読するというわけではないが。

妹の家は、かなり前から新聞購読はしていない。以前、ビジネスマンであるところの旦那様は、駅売りの朝刊を買って、電車内で読んでいた。そんな家庭習慣なので、甥っ子は新聞を読むという習慣がない。ニュースはもっぱらLINEだそうだ。

というわけで、実家に集まったときに、妹が持ち帰る「お土産」のひとつが、「古新聞」である。新聞は読まないが、古新聞は野菜の保管や掃除に便利なので、欲しいらしい。なんだか不思議な「お土産」である。

2023年1月4日水曜日

年賀状

 年末年始恒例の作業で「年賀状」というのがある。海外からだと、12月初めにクリスマスカードをやりとりすることが多い。いずれにせよ「ご挨拶」ではある。

ここ数年多くなってきたのが「年賀状じまい」を書き添えた「ご挨拶」である。定年退職、引っ越し、高齢、何となく理由がないのもある。一方、「年賀状じまい」もなく、返信もない、という人もいる。訃報がないので、こちらから止めるのもナンだなあ、と思いつつ、住所録を眺める。

「年賀状を送ることを控えることにしました」というご挨拶に対して、こちらが困るのは、「ちょっと返事は勘弁してね。でも年賀状は送ってくれて構わない」のか、「年賀状を送ってくれるのも勘弁してね」なのか、「音信不通希望」で「絶縁希望」でそもそも「住所録から削除してくれ」なのか、よく分からないことである。

年賀状だけで繋がっている友人もそれなりにおり、そういった人に「年賀状を控えることにしましたが、これからも変わらぬ交流をしたいです」と書かれた日には、変わらぬ交流とは年賀状だけだったのではあるまいかと突っ込みたくなる。どうすればいいのかしら。

2023年1月3日火曜日

年頭に

 ブログの更新も滞っており、気にはなっていたのだが。

別の意味で、「トシ頃」とでも言うのだろうか。以前よりも体力的健康的にも無理が利かなくなった。マルチタスクのような作業も、ちょっとしんどくなった。家族内高齢者にも時間を割かなければならない。当然のように仕事や作業もセーブせざるを得ない。コロナのおかげで仕事も日常生活もあれこれ変更したり戻したり戻らなかったりで、「予想外」「想定外」なことも多くなった。以前は、という形容詞が、10年くらいではなく20年30年ぐらいのスパンにもなってきた。だからというのではないが、ブログの更新も間遠になってきたのかもしれない。

年頭としては、もう少し文章を書きたいなあ、などと考えているのだが、さて、どうなることか。