2020年6月16日火曜日

西北

自動車の運転中はよくラジオを聞いている。先日の放送の話題は「ドライブ用の音楽」についてである。どんなシチュエーションで、どんな音楽を聴いていて、どんなエピソードがあるか、などというオーディエンスのリクエストと投稿を読んでいた。人それぞれに、いろいろな音楽を聴いている。そんなキーワードで思い出すのはY先生だ。
2000年代初頭、乗っていたのは当時でもクラシックなベンツ、既にかなり貫禄ある雰囲気である。ある日「駅まで送ってやろう」と言われて同乗させてもらった。走りだすなり、先生はオーディオのスイッチを入れる。いきおい「みーやーこーのせーいほーく」。スピーカーから大きな音量で流れた。「おお、悪い、いつも一人だからボリュームが大きくって」、とスイッチを操作する先生。音楽は引き続き早稲田応援歌メドレーである。よく見てみたら「早稲田大学オリジナル」なカセットだった。早稲田大学出身、根っからの早稲田ファンな先生である。毎朝、毎夕、これを流して学校を往復しておられたようだ。

2020年6月15日月曜日

減少

非常事態宣言中、あるいは解除後に、商店の閉店や会社の破産、などという話題も多かった。昨日の夕刊では神保町の餃子屋の話題が載っていた。残念である。
世代的に、私たちが「お世話になった」店のオーナーや料理人は、今時はそこそこの年齢なので、代替わりするか辞めるか、という二者択一がいつかは訪れる。ある意味、「区切り」でもあったのか、閉店や廃業、という選択ではあったのだろう。
世代的に「懐かしい味」は、少なくなっていく。
一方で、これを機会に「代替わり」した店もあった。半年に1度くらい行く天ぷら屋があった。小柄な「お父さん」がワイシャツにネクタイしめて天ぷらを揚げる。お母さんと二人で切り盛りしていて、席数が少ない店だ。昼は天丼だけ、夜はおまかせコースだけ、日本酒ではなくワインを置いてあり、子どもがあまり来ないので、大人だけで落ち着いてお食事して帰ることのできる店だった。先日同居人が久方ぶりに寄ってみたら、料理人が代替わりしていたらしい。このご時世なので、予定を早めてリタイアしたという。若くて新しい料理人のもと、メニューが増え、昼からよそ行きの服装で子どもを連れた家族がテーブルにいて、大きな声でお好みを頼んでいた。料理人は、同居人の風体を見たなり「ランチメニューはやっていないよ」とつっけんどんに言ったらしい。よれよれのTシャツ、短パン、ギョサンの普段着オジサンなので、さもありなんだったのが、身なりで客あしらいをするとは何事かと、怒って帰ってきた。
こうやって、なじみの店も少なくなっていく。

2020年6月14日日曜日

絶対

やっと感染症拡大防止のための自粛がぼちぼちと緩和されてきた。「不要不急」と見なされた、あるいはそうだと自覚しているお店もぼちぼちとオープンし、人が街中に戻って来つつある。以前と違うのは、みんなマスクしている、ということだろうか。
緊急事態宣言が解除されてすぐ、件のアベノマスクもポストに投函されていた。噂通り、「ちっさい」。安倍首相が「顔が大きい」ので相対的に小さく見えるのではないかとも言われていたが、首相が使っているものと同じであれば、相対的ではなく、絶対的に小さかったわけだ。
住民基本台帳に沿って、世帯ごとに、という前提であったが、どうみても「ポスティング」である。甥っ子は大学で体育会系なのだが、合宿所にもアベノマスクがやってきたらしい。ポストにひとつ、つまり合宿所も「一世帯」と見なされたわけだ。さて、合宿所に住民票など移すのかしらん。ともあれ、合宿所に入居?している学生は100人程度だということなので、マスクどうするか、とみんなで悩んでいたらしい。