いろいろとバタバタしているうちに、前期の授業は終了した。学生さんは補講だの試験だのレポート提出があるのだが、教える方は一足先に夏休み、である。
1年生の授業を担当しているので、学年ごとにいろいろと特徴があって、毎年新しい発見がある。就職時期に、今年の新入社員は●●タイプ、という言い方が話題になるが、それに倣えば今年の学生はどんなタイプと言えるだろうか。
今年度で特徴的なのは、途中でドロップアウトが例年になく多かったということだ。昨年度までだと、1学年でドロップアウトするのが1−2名、だから1年生のクラスの名簿を見ると昨年度もいたなあという学生が1−2名いる感じだ。ところが今年はクラスでドロップアウトが1−2名。1学年は4クラスで、3クラスの授業が終わったところで、ドロップアウトがすでに5−6名である。
勤務校は、比較的学生のアフターフォローをする。しばらく前に大学の事務方から、留年を増やさないように、という内々の通達があったようで、以来研究室は一生懸命学生さんを進級させたがるようになった。これもアフターフォローをすることになる要因である。数日授業に出なくなると早速学生に連絡を入れることになる。まずは学生それぞれに割り当てられた大学のメールアドレスが、標準の連絡方法だ。これでも連絡がつかなければ、学生が届け出ている携帯電話番号、それでも連絡がつかなければ届け出ている保護者に連絡する。
私などが学生の頃は、下宿に固定電話を持っている学生が少なかったので、研究室の掲示板がデフォルトの連絡方法だった。それを見ていなければ自動的にアウト、だった。だから這ってでも掲示板を見る、あるいは誰かに掲示板を見てもらってくるようになる。
まあ、学生をやっている間に、授業よりも面白いことを見つけたりしてしまうこともあるので、自動的にフェードアウト、というタイプもいた。それはそれで幸せな人生ではある。
ここ数年のドロップアウトで心配なのは、授業よりも面白いことがあって授業に来ない、わけではないことだ。むしろ、やりたいことがわからないので、授業にモチベーションが向かない、というタイプが多いような気がする。数日風邪で休んでそれっきり不登校、という学生もいるし、保護者から連絡があり「ココロの病」と言われることもある。高校とは授業の方法も教え方も違うので、順応できないタイプも増えているような気がする。
大学、なのだから、むしろもっと融通のある授業進行や進級制度があっても良いのではないかと思う。長期的に8年間で卒業するとか、休学、学籍の維持や復活をしやすい制度などだ。現状では実習中心の進級制度で、これは私の時代から変わらない。ここだけは保守的なんだと、微妙に感心してしまう。